今日は『舌』について
セルフケアに役立つような
お話をしたいと思います。
ご存知のように
舌は口の中にあって
食べ物の咀嚼を補助したり
味を味わったりする
味覚器官です。
アーユルヴェーダを
学び始めた頃に
実験して「なるほどな」と
思ったことがあります。
舌は唾液で湿っているから
味を感じられるということ。
当たり前と思われるかも
知れませんが
逆に舌表面の唾液を
ティッシュや布で
吸い取ってから
舌の上に塩を置いてみると
味が感じられないのです。
つまり、舌が乾いていれば
味覚器官として機能せず
舌で味を感じるには
唾液という水分が
不可欠なのですね。
舌がカパ(水+地)の座と
いうのも納得です。
また、舌は思いや考えを
伝えたりする
発話器官としての役割も
果たしています。
目立たない存在ながら
私たちが生きていく上で
とっても重要なポジションを
占める舌ですが
私たちが直接見ることのできない
体の中や心の状態について
教えてくれる器官でもあるのです。
まず、舌を鏡に映して
見てみましょう。
大きさ、形、輪郭、色・・・
気になる点はありますか?
ご家族など身近な人の舌を
見せてもらうと
自分に特徴的な点を
把握しやすくなります。
舌の色が青白いなら貧血気味。
赤血球が不足しているから
青いのですね。
鉄分を補うような食事を
心がけましょう。
黄色っぽいなら
胆汁の分泌過多や
肝臓の不調が
考えられます。
胆のうや肝臓の分泌液は
黄色だからですね。
ストレス、特に怒りが
溜まっていないでしょうか。
心当たりがあるなら
休息が必要です。
お酒や脂っこいものを控え
休日は自然豊かな場所で
過ごすのがお薦めです。
青ければ
心臓に問題があるかも知れません。
こちらも血液の赤が
流れていないということで。
水分補給とウォーキングを
心掛けましょう。
白い舌苔が
舌を覆っているようなら
カパが乱れています。
粘液が溜まっていることの
現われです。
プチ断食で
未消化物を除去し
消化力を上げましょう。
習慣化したいものです。
赤い舌はピッタの増悪です。
消化力が強すぎて
ちゃんと食事量をとっていても
短い間隔で
強い空腹感を感じるかも
知れません。
食事に時間をかけましょう。
アーユルヴェーダでは
一口につき「42回噛め」と
言われています。
試しに一度いろんなものを
42回噛んで
どんな状態になるか
把握してみると良いでしょう。
私が大好きだった韓国ドラマ
『チャングムの誓い』では
宮廷で王様付きの女医となった
チャングムが王様に
「最低10回噛んでいたら
病気にならない」と助言していました。
他にも
舌のふちに歯型がついているのは
腸での栄養吸収ができていないこと
(浮腫みもあります)
舌が震えているのは
根深い恐れや心配があること
舌のひび割れは
慢性的なヴァータの乱れがあること
舌の中央に入る縦筋は
脊柱に感情が溜まっていること
その縦線に歪みがあれば
背骨がどの位置で歪んでいるのかを
映し出していると言われます。
また舌も
足裏リフレクソロジーの
反射区のように
全身の内臓や器官に対応します。
地図のように分布するわけですが
舌先が体の上方で
舌の奥に行くほど
下方の臓器に対応します。
例えば中央の舌苔は
胃や小腸に
奥の方なら大腸に
毒素が溜まっていることが
見て取れるということです。
足裏だけでなく
手のひらや耳や瞳
そして、舌にも
全身の内臓や器官の縮図が
あるというのは
不思議で面白いことだと
思いませんか?
ぜひ朝晩の歯磨きタイムに
舌チェックを
習慣化していただけたらと
思います。